癌の仕組み〜 ELAプレゼンの授業(L&CD)にて〜

ICUの授業にはELA(English for Liberal Arts)プログラムがあります。

このプログラムは4月入試で入学した人は入学時に受けるクラス分けテストで4つのStreamに分けられます。

stream1は1クラス、stream2は4クラス、stream3はA→Qまでだったかな?とりあえずたくさん、stream4は...6〜7クラスぐらいかな

とりあえず、大多数がstream3になります。

今日書くのは授業はstream3の中でも夏の短期留学プログラムであるシープログラムに行かなかった人が余分に受けなければならない授業の1つでやったプレゼンでやったことについてです。


ASという授業のL&CDという、とりあえずプレゼンをする練習の授業です。(本当に練習になってるかは謎)

流れとしては、15人ぐらいのクラスで4つのはんに分かれ、毎週どこかの班がTED Talksを一つ取り上げて、Discussionをするなど60分ほどのプレゼンをします。


今回私の班が取り上げたTED Talksは、Jack Andraka : A Promising Test for Pancreatic Cancer… from a teenager (10:49)です。


このtalkの簡単な要約としては、Jack Andrakaは身近な人が膵臓癌(pancreatic cancer)で亡くなったことをきっかけに膵臓癌の早期発見方法を高校1年生にして編み出す、という話です。

この動画は科学的な話も多く、彼が作ったもののメカニズムを理解するにはけっこう背景知識(background research)をしなければなりませんでしたので、色々調べました。


そもそも癌はどうやってできるのか。

まず、人の体はたくさんの細胞によって構成されています。

この細胞の中のnucleusと書いてあるところが細胞核です。この細胞核の中には...

染色体が入っています。よく、生物の授業とかでも「人間は23セット46本の染色体があります」と習うやつですね。

実は遺伝子は、

染色体の中に長い長い(1.5メートル)遺伝子をクシャクシャにしてしまわれています。


そしてその遺伝子というのは、どんどん増やされて、2倍になったところで細胞分裂をします。

下の図は、DNAをコピーしている様子です。

2本の線に塩基がたくさんぶら下がり、それがつながることで螺旋構造の完成形になっている遺伝子をコピーするときは半分に分けます。

そして片方を元に新しいもう半分を作るのですが、

このようにミスコピをしてしまうことがよくあるようです。

ミスコピが起こると、私たちの体もそんなにおばかではないので、うまくいっていないと判断されると細胞が自殺するようにできています。ですが強力な監視をすり抜けて生き残ってしまった細胞は

癌なのです。


もしかしたら癌には色々な出来方があるのかもしれませんが、私が調べたのではこうなっていました。


Jack Andraka 彼の発明した検査方法というのは、「膵臓癌ができると血液中を回るプロテイン(タンパク質)の存在が確認されたら膵臓癌、確認されなければ膵臓癌はない」という検査方法です。

彼は話の中で膵臓癌ができた場合に作られるタンパク質8000種類の中から、初期癌の時から現れるものを探したと言っていました。

でもタンパク質と癌って何の関係があるの???

というところを私はすごく疑問に思ったので調べてました。


まず、遺伝子は設計図のようなものです。

ですのでちゃんと活用するには遺伝子を元に実際に作らなければなりません。

必要な物を作るためには、gene(以後遺伝子)がRNAにtranscript(転写)されます。つまりコピーということなのです。

この転写の段階で遺伝子の中から使う部分(全体と比較するとすごくちょっと)だけが転写されているのですが、

ここでまた使わない部分をカットして、使います。

そして、使うってどういうことなのかというと、その設計図を元に「プロテイン(タンパク質)」を作るんです!

やっと出てきましたタンパク質!!!

遺伝子を元にタンパク質が作られる。

つまり、遺伝子が間違っていると間違ったタンパク質が作られるということです。

彼が言っていた癌ができると検出されるタンパク質が8000種類あるというのは、「間違ったタンパク質」のことだったんですね。


彼は、検査の方法としてantibody(抗体)にそのタンパク質をキャッチさせるということでしたね。

え?何でここで抗体が出てくるの???


抗体は、こんな形をしています。

これじゃあ分かりにくいので、下のイラストになった抗体をみていきましょう。

抗体はある特定のantigen(抗原)とくっつく性質があり、私たちの体の中に入った異物などを除去するのに使われます。

antigen-binding siteと書いてあるところがパズルのように凸凹しています。この凸凹にぴったりはまることによってくっつくので、凸凹具合である1つの抗原とだけ反応するようにできています。


この1つだけに当てはまる性質を生かして、血液中の1つだけのあるタンパク質と反応するように作っているのが、彼の膵臓癌の検査方法です。


はぁ...説明長かった笑


意外とこうやって理解を深めていくと、この仕組み神でないと分かりませ〜んというような感じでもなくシンプルです。


グラフェンにノーベル物理学賞←リンクになってます

このブログに書いてあるように、グラフェン(炭素)が1層だけ平らに並んだものというのは理論上は50年前に証明されていたにもかかわらず、その作り方は分かっていませんでした。

ですが、その作り方というのはセロハンテープと鉛筆で作れるというシンプルな方法だったのです。


このように、意外と発見・発明って身近にあるんですね。

私もなんかできるかも!

これもteenage optimismでしょうか笑(2分16秒)

teenage 終了まであと1年しかないけどteenage optimismを武器に頑張ります笑


Works cited

”グラフェンにノーベル物理学賞”. 有機化学美術館・分館. livedoor blog. 6 Oct.2010. Web. 9 Feb 2017.

Weinberg,A Robert. The Biology of Cancer. May 15, 2013. Print.

榊 佳之. ヒトゲノム:解読から応用・人間理解へ. Tokyo. 岩波新書,2001. Print. 

TED,Prod. Andraka,Jack. "A Promising Test for Pancreatic Cancer… from a teenager". TED. Feb,2015. Web. 9 Feb,2017.

ICUでゴリゴリの文系から理転してプログラミングを勉強する勇者の話。

国際基督教大学(ICU)に通う2020年卒が、理転をしようと奮闘する様子を垣間見ることができるブログです。入学すれば文系と理系のどちらも(自己責任で)専攻することができるICU。高校時代「英語がそこそこできた」「数学の成績が悪かった」ので文系にしましたが、理系への憧れが捨てきれず理転します。

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